ゆったりしてる暇はある

 

主に映画の感想だと思いますが、その他の事もダラダラ書いてます。

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『オンリーゴッド』/罪人に優しい歌を(ネタバレ) 



評判からある程度想像はついていましたけど、これは賛否がぱっくりと分かれるのもすごく納得。途中で帰った人もいましたし、エンドクレジットに突入してからの「ああ.......おお....うーむ...」な一体感は凄まじいものがありました。恐らく誘ったとおぼしき男の方が「こんなのに付き合わせちゃってごめんね」なんて謝ってるカップルもいた。あなたが謝ることないと思うよ!

僕もね、観ている間はかなりぽかーんでしたけど、正直今まで観てきたニコラス・ウィンディング・レフィン監督作でなぜだか一番ワクワクドキドキ五感を刺激させられ、最後は理屈をずば抜けて他の映画では味わったことないような感動に行き着かされてしまいました。

で、見終わって五日経つのですが、なぜ自分が『オンリーゴッド』にここまで感動したのかがあくまでも"ストーリー上の理屈の部分で"自分なりに咀嚼出来てきたような気がしなくもなくもないので、ストーリーの順を追ってちょっと書いてみます。なので当然ネタバレ全開です。



《たぶん『オンリーゴッド』ってこういうお話》


まずこの映画について語るには、ポスターには載っていないけどこの映画の実は真の主役である、この方から語らねばなりません。

元警官のチャン

別名:マスクを着けないジャッジドレッド

ライアン・ゴズリング演じるジュリアンの兄がまだ幼い売春婦をレイプし惨殺したことからこの物語は始まる訳ですが、そんなの超絶酷い事件じゃないですか。殺した変態野郎は死んで償うべきですから、チャンは殺された少女の父親に犯人を殺すことをけしかけます。

ここまでは良いですよね。ほんと「俺が法律だ!」を地でいく人と言うか。潔い。

しかし、ここからがスゴい。被害者でもある殺された少女の親父にチャンはこんなことを言うのです「元はと言えば、こんな幼い少女を売春宿で働かせてた貴様が悪い。死んだ娘の罪は償われた。次は貴様が生きている娘たちの為に罪をつぐなえぇぇぇぇええいっ!」


ジャッキーン!

と、どっからともなく取り出した刀であれよあれよと親父の腕を切断してしまいました。しかし、残された娘たちもいますから決して命は奪わない。マジでマジカル。


さらにマジカルなのは、彼は人に制裁を下したあとに必ずカラオケバーに行き永遠歌い続けます。部下たち全員無表情です。けれど、構わず永遠歌い続けます。きっと今日制裁した者たちに対する彼なりの鎮魂歌なのでしょう。そして、家に帰れば娘を溺愛し、家政婦には感謝の念を払い、普段は非常にもの静かで紳士的。

そんなところから分かるように、彼は単なる無差別殺人者でもキチガイでもなく、己の中に確固たる価値観(倫理観と言い換えてもいい)をガッチリと持っている人のようです。自分の損得勘定では動きません。ただただ、死に値する悪に裁きを下す


だが、そんなチャンの裁きによって死に値した暴力レイプクズ野郎にも家族がいる。そこで登場するのが来ました

母親のクリスタル


この女はとんでもない。登場した瞬間から高慢ちきで、なんせ自分の息子のムスコまでも自分のモノにしてしまう、世界を自分中心に回しウーマン。そんな奴ですから弟のジュリアンが「いや、でも兄ちゃんは変態レイプ野郎だったからさ.....」と説得しても「お兄ちゃんにはなんか事情があったの!アンタはあの刀持った猪瀬直樹の首をいいからここに持ってきなさあぁぁぁああいいい!!!」とぶっちぎれ状態。


かくして復讐の火蓋は切って落とされた・・・・・


その間に挟まれる男ジュリアン


彼はウルトラスーパーマザーコンプレックス男です。て言うか、クリスタルに完全に支配されていて手の平で転がされてるも同然。こいつの人生すべてクリスタルに左右されまくりでね。しかも、厄介なのが明言はされませんが恐らくクリスタルと近親相姦的な関係にあったらしく、そのトラウマからなのか、どうやら性的不能を抱えてるらしいと。

でも、例えば兄を殺した親父を許してやったりする面から分かるように、母に支配されてはいても、彼には彼なりのどうしても譲れない価値観であり倫理観がどうやらあるらしいじゃないですか。その価値観はどちらかと言うとチャンの価値観に近いというか。だから、彼は自分を支配しているクリスタルと脅威でありつつ、でももしかしたら自分の信じるものと近いものを感じているチャンとの狭間で揺れ動きまくる訳です。

序盤のジュリアンが現実では会ったこともないチャンと幻想だか夢だかで出会う場面があります。その時は自ら廊下の奥の闇へと向かっていきそこに手を伸ばすと自分の腕が切断される。これは最終的にジュリアンが迎える結末な訳ですが、ここで彼はある意味これから、血で血を洗う暴力によって自分が迎える未来を見たのです。


そして、もうひとつ。兄が殺されたことを知ったあとに、水道の色が赤く染まったことから、また同じような幻想の気配(?っていうかどうにも表現が難しいのだけど)に気付き、また廊下の奥の闇へと向かうと、不安げな表情になり足を止めてしまう。カメラもぐーっと引いていく。そして、部屋に戻るといたのはチャンではなくクリスタル、というこの場面と、先程述べたチャンとの遭遇場面は明らかに対比して描かれていてチャンには惹かれて、クリスタルには恐れを感じているということを早い段階からジュリアンが潜在的に感じているのではないのでしょうか。

そんな、惹かれつつもやはり脅威であり愛する母の憎き敵なチャンにジュリアンは果敢にも戦いを挑みます。お母さんの前で良いとこ見せるんだってことでしょうか。

がんばっちゃうぞ



結果は惨敗。己の拳はチャンにかすりもせず、ジュリアンの顔面はボッコボッコに。

その一部始終を目の当たりにしたクリスタルはジュリアンに、いままで、兄をえこひいきしジュリアンを蔑ろにしていたことを告白し「明日からはいい母親になるから私を守って頑張って!猪瀬直樹を倒してちょうだい!!」なんて言います。きっと、「いい母親になるから」なんて嘘っぱちだと思います。こいつは人を支配することが目的の人間ですから、とりあえずジュリアンにチャンを処理してもらいたかったのでしょう。

そうして、張り切っちゃったジュリアンはチャンが留守の間に自宅に忍び込み、ついに関係ない見張りの警官を殺してしまう、という自分の倫理観に反した罪を犯してしまうのです。とうとうやっちまったな。

チャンへの不意討ちを企むジュリアン。しかし、娘と家政婦が先に帰ってきてしまいました。一緒にいた仲間は家政婦を殺し、次に娘も殺そうとします。が、ジュリアンは仲間を殺し、チャンの娘を助けたのです。やはり、彼には彼なりの譲れない倫理観がいまもあったようです。



そんなこととはつゆ知らず「猪瀬め、ざまあwwww」なんて余裕ぶっこいて世界を自分中心に回そうとしたところに、残念ながらチャンがクリスタルのもとにやってきました。自宅を留守にしたのは5000万借りにいった訳ではなく、クリスタルに罪を償わされるためだったのです。クリスタルは首にグサッと一発やられました。

クリスタルの死体と対峙したジュリアンはクリスタルの腹に穴を開け、おもむろに手を入れる。手を入れる場所がちょうど下腹部辺りなので、ジュリアンは懐かしき母の子宮の暖かさを最後に感じたかったのではないのでしょうか。それは母との完全なる決別宣言ともとれるような気がします。

究極のマザコン野郎を卒業したジュリアンは、ついにチャンからの裁きを受ける覚悟ができました。彼は自分なりの正しい選択をしたのです。覚悟を決めたジュリアンは、以前に見た幻想の光景同様に両腕を切断.........スパッ

チャンチャンチャンチャンチャンチャン.......



このラスト。色々な解釈が出来ますが、この裁きを受ける場所が、それまでの暴力的な赤と冷たい青のネオンに包まれた煉獄のような場所とはうって変わって、広々とした森の中であるということ。それは暴力と欲望に支配された世界から、ジュリアンがようやく開放されたということを意味しているのはないかと。それまでは暴力の象徴であった拳が、手のひらの状態で切断されたというのもそういうことかと。

だから、これからジュリアンにはクリスタルからの支配も暴力からもほど遠い新たな人生が待っているのではと思うんです。両腕は切断されたけど、生死に関しては明言されてませんでしたし。何れにせよ最後の選択が"ジュリアンの意思"によって行われたことは確かでして。だから、「少年がついに大人の男になれるときがきた!」ってアレ。マザコン卒業よかったよかったってさ。いい結末じゃないですか。




たぶん『オンリーゴッド』はそんな映画なのかと自分なりに思います。他にも、色々な解釈が可能ですけどね。例えば、

ジュリアンがクリスタルの腹に手を突っ込むのは、死姦的な意味合いもあるのかしら?

チャンに妻がいないのは、ひょっとしてあの娘は養子?それか母親はすでにこの世にいない?それが彼の強固な倫理観に関係してんの?


とかね。分かんないですけど、まあこうして色々なところにまで考えを及ばせる時点で、なかなかスゲェ映画だと思うのですよ。90分弱の上映時間にも関わらず、全然短く感じさせないほどの濃密さも込みで、『オンリーゴッド』はさっそく今年最大の問題作であり異色作であることは確か。しかし、好き嫌いは分かれてもこういった「観客にも観る覚悟を求めさせる」姿勢であり態度の映画も絶対的に大事だし、価値があると思うのです。


では、また今度。

ちょっと面白そう
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Posted on 2014/02/02 Sun. 23:12 [edit]  /  TB: 0  /  CM: 3

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『大脱出』/もしもスタローンとシュワルツェネッガーが同じ刑務所にいてあまつさえ二人で脱獄を企てたりしたら....... 

その刑務所は地獄をみる




今年の映画始め一本目として先日観てきましたよ「暴動スタローン&シュワルツェネッガー刑務所」こと『大脱出』。観る前は「スタローンとシュワの本格共演映画なのに脱獄ものってなあ.....」とか「邦題の投げやりぶりがなあ.....」とか「監督がミカエル・ハルストロームというあたり信用できん」とか不安要素いっぱいでした。そして実際に映画始まっても、まあスタローンとシュワルツェネッガーのタイマン対決は嬉しかったですけど、正直かったるいところも多々あって中盤あたりは、ごめんなさいお眠くなってしまいました.......


大体、あの刑務所ぜんぜん厳しくもないじゃない。監守がマスク着けていて監獄がガラス張りで刑務所自体が大海原にある、ってだけで自由時間結構ある!だしさ。これなら、『フェイス/オフ』に出てくる靴と床が磁力で引き合うように出来てるため、囚人は歩く以外の身動きが取れない刑務所の方が断然斬新で脱獄不可能ぽかったよね。(因みに『フェイス/オフ』は元々スタローンとシュワを主演に予定していた映画。そっちの方が観たかった.....)

あと、脱獄の計画上ちゃんと理由があるとは言え、わざと騒ぎを起こして独房に行く展開が二回もあるのは、ストーリーの作劇上スマートじゃないですよねー。サム・ニール医師に協力を依頼するための説得場面も二回あって、だから、やっぱ脚本がタイトさに欠けるんですよ。この手の映画は最小限のことでサクサク進もうよ。

サム・ニールとスタローンの共演というのもまた感慨深かったですけどね。



なのでスタローンとシュワルツェネッガーには本当に申し訳ないんですけど、まあ凡作だな、って。わたし思ってたクライマックスまでは


非常に乱雑な計画で脱獄を強行!するのは、まあどうなんだかと思ったけど、その後にある「カメラに向かってニッコリはいチーズ」場面が最高すぎでしょう....(しみじみと)ここだけで心がほっこり1800円の価値があるというか、そこで一気にテンションがアガって、その後の「ここは俺に任せて先に行け!」展開もグッときたし.....あそこはかなりいい場面だと思いましたよ。

そうして、『大脱出』のグルーヴ感に飲まれていったところで、来ました!伝家の宝刀!シュワルツェネッガーと機関銃!!そうですよこれですよ!セーラー服とじゃないんだシュワルツェネッガーと機関銃なんだ。これはお寿司に於けるお醤油のようなもの。セットってこと!ハッピーセットなの!そこでスローを何回も繰り返しちゃうのはあざといと思うが、いいんです!観たいものはこれなの!もう最高!グルーヴ最高潮(ただ、後に理由は明かされるとはいえ、あのヘリは唐突すぎる)


そ・れ・で、その後のシュワルツェネッガーから銃をパス→(しかも僕の愛銃ガバメント!)スタローンがキャッチ!決め台詞で!!どっかーーん!!


「なんていい映画なんだ......」


ですよ!ただ、結局はクライマックスは普通のアクション映画になってしまいましたから、もはや脱獄ものじゃないって問題はあると思うけれど、てか最初からそれで良かったんだっての。俺たちが観たいのは結局後半に詰まっていた。

オチのちょっとした種明かしも、まあ「うん、そうだと思ってた」って感じで、やっぱ脚本がね、もっと良くできたはずなのにさ。


って、結局ほめてるんだか貶してんだかですよ。でもね、見終わったあと二日ほどこの映画について考えていたのですが(暇なの?)僕は最初からこの映画の見方が間違っていたというか、別のハードルを上げた状態でこの映画に臨んでしまったことに気がついたんです。

どういうことかと言うと、僕は「脱獄もののハードル」を上げた状態から、この映画を観てしまったわけ。だから、先程「刑務所が弱いな....」なんて文句なんか述べたけど、そんな文句まるでおかと違い!この映画はスタローンとシュワルツェネッガーの主演映画なんだから、それ相応のハードルを上げとくべきだったのです。で、「スタローンとシュワのW主演映画というハードル」はちゃんと飛び越えてみせてるんだから、「脱獄もののハードル」を飛び越えてなくとも全くもって無問題。僕がバカだったんだ。

これは、スタローンとシュワの映画だからレベルを下げて観るってことじゃないですよ。その映画にはその映画なりのそれ相応のハードルがあるってことで。同じ刑事映画のジャンルにあるからって『フレンチ・コネクション』と『コブラ』を同じハードルを用意して観ないでしょ?『コブラ』に求めるものを『フレンチ・コネクション』に求めてたってしょうがないし、逆も然り。


よく分からない方向に文章が向かってしまいましたが、要は逆算的に「この映画はこれで合格!」という気持ちになったので、大好きな映画になりました。ただ、これは当ブログにコメントをよく下さる三角絞めさんことカミヤマさんもブログで書いてましたし、ていうか世界中のスタローンとシュワのファンはみんな同じことを考えると思うけど、次はジョン・ランボーとジョン・メイトリックスが最初はいがみ合いつつも最後は共闘してクズをぶち殺すような映画が僕は観たいです。それをよろしく!


では、また今度。
Posted on 2014/01/23 Thu. 20:57 [edit]  /  TB: 0  /  CM: 2

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『悪の法則』いま、そこにある地獄 



最近、すっかりブログを書く気を喪失していましたが、ようやくねそんな喪失した気持ちをバーニングさせてくれる映画と出会いましたよ。『悪の法則』ただいま僕はこの映画に惚れております。

(完全なネタバレはしてないつもり)



この映画は基本会話劇です。しかも、単なるエロ話にいたるまで示唆的、寓話的、哲学的で後々の物語やこの映画のテーマに登場人物たちの会話が深く絡んでくるんですね。だから、ボーッと聴いていちゃいけないし、たぶんそういうのを踏まえると二回目以降の鑑賞の方が更にこの映画の理解が深まるのかなーなんて思います。

一番分かりやすくこの映画のテーマを表すかのような会話は、ハビエル・バルデムが主人公に語るキャメロン・ディアスのびっくりカーセックス。非常に強烈な話なので聴いてしまった主人公は「聴かなきゃよかった・・・」話したバルデムも「話さなきゃよかった・・・」となる。しかし、後悔したところで聴いてしまった以上、もうどうにもならない。現実を受け入れるしかない、と。まさしくこれがこの映画のテーマだと思いますよ。「人生取り返しのつかないことがある」こんなことをある登場人物も主人公に言いますよね。だから、いくらそれまでの人生が完璧だったとしてもその真実を前にしたら、ただただ鼻水を垂れ流して泣き崩れるしかない・・・。それしかできない。そんな身も蓋もない真実をこの映画は主人公と観客に叩きつける訳です。豪華スター出演で大金掛けた20世紀フォックスの映画だというのに、そんな暗黒を見せつけるなんて、とっても素晴らしいことだし、なんか正しいと思います。


とは言え、この映画はただ暗くて難解だったりするだけではなく、本当に楽しくて愉快な場面もいっぱいです。先述したキャメロン・ディアスのびっくりカーセックス、ただただ永遠にたらい回しにされていく、糞尿まみれドラム缶詰め死体(これは主人公のこれからの人生を象徴してるのだと思う)あとブラピの"アレ"ね。あいつは、主人公に色々「麻薬カルテルを甘く見ちゃいけねぇ」だの忠告はするくせに、自分は「修道院に潜り込んでまで生きてやる」なんて大口叩くわけ。でも、そんな奴でも取り返しのつかないことは、道を歩いている時にだってやって来る。非常に意地悪でナイスな場面だと思います。

あと、大変びゅーてぃふぉーな首チョンパ場面も素晴らしい!痺れた。あの場面を境にこの映画は地獄へ真っ逆さまな訳ですが、正しくあの一本の細いワイヤーという境界線を越えたら・・・っていう表現ですから、映画の構成としても単純に場面としても会話だらけのこの映画の中で実に映画的な名場面だと思います。

とか、物語上重要な役割であるバイクが猛スピードで荒野を走っていくのを捉えているカメラがパンすると、室内でイチャイチャしてる主人公カップル、という場面も簡潔に意地悪で素晴らしいですが、やっぱ今回は脚本のコーマック・マッカシーが120パーセントの仕事をしてますね。もちろん、リドスコのスタイリッシュで隙のない演出も素晴らしいですが、何気に『悪の法則』とリドスコの前作『プロメテウス』はテーマが通じてるなーとも思ったり。当然偶然でしょうけど。

まあ、とにかく意地悪で悪趣味でブラックで笑えるけど立派な教訓もある、と。僕にとってはこういうのが理想の映画。毎日をちゃんと正しく生きようと思わせてくれますから。皆さんもくれぐれもメキシコ麻薬カルテルとだけは付き合わないようにね。


では、また今度。
Posted on 2013/11/29 Fri. 15:03 [edit]  /  TB: 0  /  CM: 4

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緊張の夏、『パシフィック・リム』の夏 

8月9日の朝、目が覚めてからいきなりの吐き気。コーヒーではなくてモーニング吐き気。何故かと言えばついに今日『パシフィック・リム』が観れるから・・・。

企画を知ったのは約二年と半年前。確か、映画秘宝だったかな・・?ギレルモ・デル・トロが着手していた、ラブクラフトの小説『狂気の山脈にて』の映画化が頓挫してしまったため別の映画の監督をする、と。その時はタイトルも決まってなくて、「巨大生物と人間の戦いを描く映画」程度の情報でしかなかったと記憶してますが、まあ期待をしましたよそりゃ。

それから、ポスターが明かされキャストが明かされ(トム・クルーズが出演するなんて噂もあったっけ)、肝心のロボのヴィジュアルが公開され、そして去年の年末に解禁された予告で期待値のハードルが、あっという間にドバイのバカでけぇタワー級へと成長。


それをあと三時間後に観れていると思うと、吐き気も致し方なし。お、今度は腹痛まで襲ってきやがった。ああ、もうどんどこ来やがれ俺が相手だバッカヤロー。

腹痛と吐き気と戦いながら、8時に家を出て豊島園にあるユナイテッドシネマまで向かう。朝一のIMAX3D。2200円なんて安いものよ。

ツイッターを見ていたら、どうやら僕がフォローしている大半の方々も、同じ回に向かっている模様。それがまた緊張を高める。ああ、どうしよう・・・。

電車は豊島園へと向かう。なんだかもう引き返してもいいような気がしてきた・・・いや、引き返したいかも。引き返したい引き返したい。治まれ腹痛と吐き気!ああ、もうダメだ頭の中が色んなことでぐーるぐる。前に座ってるお洒落なガキはじーっと見てくる。なんだよ、俺のこのクジラのシャツがダサいってのか?中は『ウォーリー』のEVEちゃんTシャツだよ。海とロボットで俺なりのパシリムファッションだよ!

電車は豊島園に到着。もう後戻りはできないこのまま地獄へまっ逆さま。なんでこんなに緊張しているのか自分でもよう分からん。

映画館に入る、チケット売り場に並ぶ、店員さんに「10時からの『パシフィック・リム』一枚」と言う、席を選ぶ、案の定「中学生ですか?」と間違われる、お金を払う、チケットを受け取る。
 もはや慣れ過ぎた一連の手順が、こんなにも特別な感じがするなんて。「『パシフィック・リム』一枚」この言葉を言うのを二年と半年待った。二年と半年!

スクリーン8番に入場。席は前から二番目。相当近い。ほとんど見上げる形になる。続々と入ってくるお客さんの中に「あ、この人はたぶんあの方なんじゃ・・・」という方もちらほら。しかし、落ち着かない。まあ「落ち着け」と言われても無理なんだけどさ。

予告編がスタート。『エリジウム』→『スタトレ イントゥダークネス』→『マンオブスティール』という、ちょっと私を殺す気なのですかトリプル。「夕飯だか昼飯の後に謎解きをしようぜ」みたいな映画の予告編がやらなくて本当に良かったよね。

そして、そして、そして、そして、そして、そして、そして、ついについに腹痛と吐き気に見舞われた緊張の中『パシフィック・リム』本編がスタート・・・・。


130分後


「パチパチパチパチパチパチ」

場内から拍手、気が付いたら自分も拍手。すでにスクリーンは真っ白、自分の頭も真っ白。誰もいない劇場で掃除の係員さんが目に入るまで、3D眼鏡を掛けたまま客席ですっかり放心状態であった。

130分の間に一体なにが起こったのか?僕はどうなってしまったのか?なにがジェーンに起こったか?それはもう、こうとしか言いようがない

心が動いた

正確には3cmほど。こう、「すっ」と動いたのである。それは、面白いから泣けたから燃えたから、といった理由でではない。もっと、なんだろう「スゲェものを観た!!」という理由から、動かされた感じ。

うん、さすがに自分でも大袈裟だと思ったよ。一度自分に言い聞かせたし「これは、ロボットと怪獣が戦う」映画なんだぞ、って。いや、でもだからこそ、だからこそこんなにも感動してしまったのかもしれない。徹底的に煮詰められて濃厚にされてしまうと、それ自体は単純であったりバカバカしかったりするアイデアも、なにかスゲェ力強いものにトランスフォームしてしまう・・・・そんなことを『パシフィック・リム』には感じた。単純なものの力強さを思い知らされたというかさ。

結局、現時点で六回観ています。しょうがないじゃん心が動かされたのだから、そりゃ六回も観ちゃうって。


『パシフィック・リム』はなるべく一人でも多くの人に観てほしい。怪獣映画に詳しくなきゃいけないとか、そういうなんかしらの権利がなきゃ観れない映画では全くもって無いです。オタクだけがワイワイ喜ぶような狭くて低い次元の映画とは真逆。バカでも分かる非常にオーソドックスなエンターテイメントの脚本、そしてただひたすらバカみたく圧倒されてしまう映像。逆にこれをつまらないと言う人と会ってみたいですよ僕は。

『パシフィック・リム』に興味がない方にも興味を持って頂けるよう、今回は内容には一切触れずに感想を書きましたが、次回は内容にガッツリ触れたネタバレ全開感想を書きます。たぶん、終始最高なんじゃーい!!としか書かないと思いますが、まあ広い心で読んで頂けると幸いです。

とにかくね、まあ今年のベストだとかそういうレベルを超えて僕の心を動かした映画ですからね。とてもとても勇気付けられました。ギレルモ・デル・トロありがとう!今はそんなことしか言えないや。


では、また今度。
Posted on 2013/08/15 Thu. 23:27 [edit]  /  TB: 0  /  CM: 3

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『G.I.ジョー バック2リベンジ』/おもちゃ箱を"いい案配に"ひっくり返したおもちゃ映画(ネタバレ) 



あのハゲ二人を呼べ


その一言から『G.I.ジョー バック2リベンジ』の製作は始まった。

それもそのはず、だって『G.I.ジョー』一作目は興行的にはそこそこ当たったとしても、評判は決して良くなかった。だから、きっとプロデューサー陣は一作目とは大幅なシフトチェンジをした続編にしないと、シリーズとして続いてくれないと考えたのだろう。その為、まずキャストは一作目の主人公チャニング・テイタムと好評だったイ・ビョンホン演じるストームシャドーとスネークアイズを残して、ほぼ総取っ替え。ついでに監督も含め、スタッフも一新。そして、新キャストとしてオファーさえすればなんにでも出てくれるハゲ、ブルース・ウィリスこの人が出るとシリーズが盛り上がり出す幸運を呼ぶハゲ、ザ・ロックが呼ばれた。

こうして『G.I.ジョー』シリーズを安定のドル箱シリーズとして、送り出したのだ!!


とね、僕の友達のハリウッドレポーターが言っていたので、まあ確実な情報でしょう。え?名前?僕の友達のハリウッドレポーターだっつってんの。それ以上聴くんじゃないよ。友達に一人や二人セブンイレブンで働いているやつが大抵いるように、ハリウッドレポーターの一人や二人いるでしょうが。まったく。

ただね・・・大幅なシフトチェンジをしたのは分かるんだけど、個人的にはちょっと物足りなかったかな・・・・。なんかね、すっごくバランスを考えて作られているのは伝わるのですよ。一作目とは違っておもちゃ箱をいい案配にひっくり返してる。でも、僕はもうちょっとおもちゃ箱をひっくり返して、部屋中を散らかしまくってもいいな、とは思うんですよね。


とは言ってもね基本的には一作目同様バカバカしいです。荒唐無稽とかいうレベルではない。脚本やストーリーテリングに難をつけたら朝方までかかる点は一作目も同じ。でも、だからこそね2は、一作目より奇想天外ガジェッドとかに頼らないアクションが多いだけに、割りと普通のアクション映画になってしまっている感は否めないので、同じバカバカしさなら僕は奇想天外ガジェッド満載でおもちゃ映画らしいおもちゃ映画な1の方が好きかな・・・

特にさ、クライマックスですよ。核を無くすサミットをやってる場にも関わらず、なんで核発射ボタン付アタッシュケースを各国首脳陣が持ってるの!?とかロンドンを『2012』ばりに大破壊しといて、大して物語と関わらない、とかいろいろどうかと思うところはあるが、そこはすっ飛ばすとしてね、核ミサイルの発射を止める為に核発射ボタン付アタッシュケースを敵と奪い合うのがクライマックスのバトルって、これ『ミッション・イン・ポッシブル ゴーストプロトコル』まんまなんですよ!しかも、『ゴーストプロトコル』の方はそのクライマックスのアタッシュケース奪い合いが、独創的でアイディアに富んだアクションシーンだったからいいけど、こっちは橋の下みたいなところで、ただ奪い合うだけってさ全然燃えないよ・・・。でも、まあその後のロック様が敵を爆破して振り返らずに、すたすた歩いていくところは燃え泣きしたけどさ(どっちだよ)


ロック様は相変わらず最高なんですよ。

あとさ、今回スネークアイズのお口が無いんですよ!全体的にシュッとしていたりするのも不満なんだけど、なによりもお口!!スネークアイズってキャラは喋らないキャラなんだけど、何故か口が付いてるのが、一作目のスネークアイズの好きなところだったのにさ・・・まあ、中盤の雪山アクションは燃え泣きしたけどさ・・・(だからどっち!?)


今回のいろいろシュッとしているうえにお口がないスネークアイズさん。


やっぱ一作目の方がちょっと滑稽でいいなあ。


なんか文句ばっか言っちゃったけど、全体的には全然楽しめましたから、いいっちゃいいんだけど、3の際にはもう少し荒唐無稽度をアップさせてもいいかな、とは思いますね。だから、この2のような肉体を主としたアクションと、1の奇想天外ガジェッド満載アクションを掛け合わせたくらいのバランスの3を期待します。あとロック様が半裸になる場面は絶対条件!


では、また今度。
Posted on 2013/06/13 Thu. 23:10 [edit]  /  TB: 0  /  CM: 0

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